- ナノ -
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あーあ、俺も冬眠したいよ、と彼は言った。何をするのもめんどくさいし、ずっと寝てたい。
そうすると、と竜は言った。その間は食べることをしない生き物もそれなりにいるが、それでもいいのか? 竜は、この辺りで冬によく食されている餅が七輪の上で焼けるのを見ていた。香ばしい匂いが彼の鼻腔をくすぐる。やっぱ冬眠やめるわ、と彼は箸を持った。
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