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　ひとつとして同じ風はない。たとえそれが微風であっても、吹き抜ける向き、強さ、暖かさ、様々なものが絶妙に異なっている。だから、吹き過ぎた風でもこれから吹く風でもなく、今このときに吹いている風を感じるために心も体も研ぎ澄ませる。竜にとって空を飛ぶとは、そういうことであった。

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