- ナノ -


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 今日でもなく、いつかでもなく、明日いいことがあるって思うとうれしいんだ。竜の背の上で彼女は微笑む。いちにち、がんばろう。明日が待ってるから。そう思えて。
 竜は静かに聞いていたが、やがて空を見つめながら言った。明日には、向こうの空から届く流星が最も多くなるだろう。いいね、と彼女。その瞳の中へ、一足先に星が宿る。


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