- ナノ -


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 別れを惜しむように、小さな体を寄せる仔竜。この子が大きくなるのを、竜は見守ることができると思っていた。しかしそれは叶わない。親の竜に促されるようにして、仔竜は竜から離れた。彼らも渡るのだ。西の彼方へ。
 夕暮れの空に、竜の親子は黒い影となる。やがて、西へ向かう数多の竜の影に溶け込んで、わからなくなった。
 

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