あこがれ
2016/06/13 22:11
朝のやわらかな日差しも、
昼のあかるい太陽も、
夜のおだやかな月のかがやきも、
私は大好きだけれど……
できるならば、私は
あの夕日になりたいなあ、って思うんです。
オレンジいろのあったかなひかり。
ふうわり、いろんなものを包み込む。
けれど時には、強く、強く、残酷なほどに、
赤いひかりを、あらゆるものに投げかけて。
そのくせ、まるで泣くかのように、
さみしさとかなしさと、果てないいとおしさの間にゆれている。
地平のかなたから、はかない夢を見る……
「こんなものは、かなわない」と嘆きながらも、
しかしなお、それをあきらめることをせず。
「いつのひか、かならず」。
明日をのぞみ、希望をつなぐ。
夕日はまるで、ひとのよう。
弱くて、強い、人間のかたち。
どこまでも、人間らしい人間でありたくて。
私は夕日に、思いを馳せる。
その身のうちに、さまざまな思いを燃やしながら……
夕日は今日も……
ふうわり、いろんなものを包み込む。
オレンジいろのあったかなひかりで。
昼と夜の境目の、ふしぎなひとときに。
まるで、そっとほほえむように。
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