「落ち着けっていってんの…!」
ふわりと髪から漂う香りはさっき学ランから香った香りと同じで
「ふ、ぅう…ふえぇぇえ…」
ぼろぼろと涙が止まらなくて…人前で泣いたのは何年振りだろう
名前も知らない彼は私をあやすように頭を撫でてくれて………
応接室に案内してもらい、"ヒバリ"と言う人物が誰か聞いたら
「僕だけど」
といわれた
「これ、君のでしょ」
目の前に出されたスケッチブックを見て頷く
「さっき、書いてたでしょ」
出されたページには校庭で見た少年と景色をかいたやつ
「まさか寝てるところを書かれるなんて、」
ふっと笑いながらスケッチブックを差し出す雲雀さん
「あまりに情景とあってたから…いけませんでしたか」
「いや構わないよ、それと…」
学ランを指差し
「いい匂いがするっていってたの、これのこと?」
「あ、いや…その…っ…」
「…気に入ったよ、君」
不適に笑うその笑みに引き込まれそうになった私は
どうしちゃったのだろうか
#02に続く