「スペードまで…!」
「そこまでしねぇとこないだろ、だってよ!」
ズガンと撃たれた銃弾
「ぐあっ!!」
空中に上がった弾は沢田君の腕を掠り、バランスを崩した隙にクローバーの一撃を食らい地上に落ちる
「やめてえぇ!!」
「大人しく来れば何もしませんよ」
沢田君の首に突きつけられたナイフ、そして獄寺君に向けられる銃口
もう、逃げ場がない
「い、くな…っ紅…!」
「おや、なかなかしぶといガキですね…流石はボンゴレ十代目」
「さぁ、どうするんだ…嬢ちゃん」
このままじゃ二人が殺される
でも、あの生活には戻りたくない
ぐるぐると頭が回る
私はどうしたら…どうしたらいいの…
「…けて…」
「あん?」
「雲雀さ…助けて…っ」
自然と口からでた言葉はそれだった
怖い筈なのにいい香りでどこか優しくて暖かくて…
彼といるときなぜか心が満たされた
ずっと一緒にいたいと思った…
「雲雀さ…っ!」
「交渉決裂」
構えられる銃口とナイフ
お願い、神様……
私の願いを聞いて
「雲雀さん…助けて…っ!」
もう誰も私のせいで死んでほしくない…!!!
「僕の所有物になにしてるんだい、君たち」
#03に続く