▽嵐の予感
「っは、離して!」
繋がれていた手を無理矢理振り払う まだ残っている感覚に私はまた頬が熱くなる
「俺のこと嫌い、かな…?」
シュンとした表情でこちらを見る
「嫌いとかの前に、特に私たち話したこともないし…同じクラスってだけじゃない…!」
お願い、治まってよ! うるさいくらいに鳴る心臓を抑えるかのように胸の前でてをにぎる
しんとした空気の中聞こえるのは私の心音だけ…
「…へぇ」
ガラリと変わった口調に体が跳ねる 顔をあげれば目の前にいるのは確かに沢田なのにさっきと雰囲気が違う
「クスッ…強情なんだね?こんなに顔赤くしちゃって」
クスクス笑いながら近づいてくる沢田に私は目を離せなく、その場から動けなかった
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