ダイヤモンドリリー(幸村友情)



※仁王夢ヒロイン






「精市」
「やぁ、夢。」
「誕生日、おめでとう。」
「ありがとう。…へぇ、ダイヤモンドリリーか。可愛いね。」


私は精市の誕生日に、毎回花を贈る。
花言葉に、メッセージを託して。


「それにしても、どうしてだい?」
「んー?」


…さすが精市。ダイヤモンドリリーくらい有名な花だったら…
調べなくても花言葉分かっちゃうよね。

私は精市の肩に頭を預けるようにして、首を傾けた。


「ちょっと、旅に出るのよ。」
「旅?」
「そう。アメリカにね。」


中学を卒業したら…留学する。昔からの夢だった。
メジャーリーガーである父はアメリカに自宅を持っているし…、1年ほど、留学してみることにした。


「そう…。」
「うん。」
「仁王には、言ったの?」
「…まだ。」


私の隣人であり…ついこの間、彼氏サマになった仁王。
実は彼にはまだ伝えられていないのだ。


「反対しそうだし、ついてきそうだし。」
「さすがについていくことはないだろうけど…でも、案外反対もしないかもよ。」
「え?」


精市を視線だけで見上げる。
精市はにこりと微笑んで、言葉を紡いだ。


「案外、優しいヤツだから。…応援してくれるよ、きっと。」
「……」
「そしていつまでも、夢の帰りを待ってると思う。」


べた惚れだからね、と精市は目を閉じた。
…まぁ、でも、言わなきゃはいけないよね…。

私は思い腰を上げ、ぐん、と伸びをした。


「んじゃあ、怒られに行ってこようかしら。」
「ふふ、がんばって。」


あいつのいるところは大体検討がつく。
私は「じゃあね」と精市に背中を向けて手を振った。


「夢!」
「ん?」
「俺も、楽しみにしてるから。」
「…ありがと。」


ダイヤモンドリリー。
本来なら秋に咲くこの花も、今はいつでも手に入る。

私としてはありがたい、とっておきの花言葉を持った素敵な花。



『また会うことを楽しみに』







- fin -



幸村さま誕生日記念第二弾。
楽しいの私だけ。←







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