友達以上、恋人以上。(滝友情)





突然ですが、失恋しました。
今は不貞腐れて萩之介の家に来ました。


「あー、くそー、ダメだもー」
「そーゆー言葉遣いじゃないの?」
「…うっさいなぁ。萩之介の前だけだよ!」


萩之介、は。
どんな態度をとっても、どんな我が儘言っても…受け入れて、くれるから。

つい、ね。


「あーあ、萩之介を好きになれたらいいのに。」
「やめてよ。めんどくさい。」
「ひど!」


ふふ、と笑う萩之介。
…まったく、厄介な親友だ。

でも確かに萩之介と結婚とか恋愛なんて考えられない。
みんなは優しいし紳士的で素敵!って言うけど。…まぁ、表面的には確かにそうなんだけど。

私の感性が言うんだよね、友達だって。


「萩之介」
「なぁに」
「お嫁にいけなかったら雇って」
「そう言うことは、料理できるようになってから言おうか」


お嫁さんにも必要なスキルだね、と萩之介は笑った。
嗚呼そうか。そうですよね。


「萩之介」
「なぁに」
「料理教えて」
「今度ね」

「萩之介」
「なぁに」
「まつ毛、長いね」
「どうも。」


ズバズバと、そりゃあ人が必死に出す話題の種をズバズバと切り捨てる。

何か喋ってないと、耐えらんない。
ほんとに、好きだったんだから。

もうダメだ。




「萩之介」
「なぁに」
「…少し、泣かせろ」
「はいはい」



座る萩之介の太ももに突っ伏して、私は泣き始めた。

萩之介は、素直になった私を優しく撫でてくれた。




私に厳しくて、でもときどき優しくて。
全部、私を思ってくれてだってわかるから…萩之介のそばは、居心地がいいんだ。


いつでも支えてくれる。
いつでも背中を押してくれる。
いつでも守ってくれる。


そんな、特別な友達。



「萩之介、」
「ん?」
「次こそ、いい恋するから見ててよね」
「ふふ、了解。」










- fin -




女の子の恋、萩之介が応援します。




…そんなテーマの滝萩之介くん(紳士)。







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