「俺…菊丸先輩にチビ言われますけど、俺の次にチビなのって不二先輩ですよね」 「…え、去年に比べたら5センチは伸びてるけど…」 「……裏切り者っ!」 「やっぱおチビはおチビだけにゃー」 案外身長の高い英二がスポッと越前に覆い被さった。 …また、伸びなかったんだね…越前…。 身体測定が終わったあとの渡り廊下。 偶然出会った越前の「チビ=僕も」作戦は失敗に終わったようだ。 英二と越前のやりとりを見ていると、背中ににとん、と小さな衝撃を感じる。 後ろを見れば……小さな女の子。 「あ、ごめん、不二くん…」 「ううん。大丈夫?木川さん」 僕の背中にぶつかったのは…同じクラスの木川夢さん。 …とても、小さな女の子。 「どうしたの?下見て…。」 「えへへ…身長が1センチ伸びた。」 138センチ、と彼女はピースした。 それでもやっぱり小柄だ。 「そっか、良かったね。」 「むー、不二くん『それでも小さい』って思ってるでしょ。」 「そんなこと…でも、小さいの可愛いじゃない。」 夢さんの頭をポンポン、と撫でる。 |