要は家族愛みたいなもの(氷帝ALL) 放課後。 部活も終わり、着替えも終わっているのにレギュラーと滝さんはまだ部室に残っている。 私も、何と無く残ってる。 跡部部長と滝さんは、テニス部の部誌を見ながら何やら話し合っている。 樺地くんはその跡部部長の後ろに立っている。 ジロー先輩は珍しく起きていて、岳人先輩と遊んでる。…その被害を忍足先輩が受けていて。 宍戸先輩と鳳くん、日吉くんは…多分、テニスの話。 あ、岳人先輩がガラス窓に体当たりしかけて… ふざけあっていた岳人先輩とジロー先輩、…ついでに忍足先輩が滝さんに怒られてる。 跡部部長もあからさまにため息をついて。 私の中で、図ができた。 ホワイトボードのペンを手に取り、書き示す。 と、それに滝さんが気付いたらしく、声をかけられた。 「夢ちゃん?何書いてるの?」 「…家系図?」 キュッと言う音を響かせてホワイトボードの上でペンを走らせる。 「できた!」 父:景吾 母:萩(ご愛敬) 執事:樺地 長男:侑士 次男:亮 三男:長太郎 四男:岳人 五男:慈郎 六男:若 「俺が父親か。」 「はい」 跡部部長が満更でも無さそうに笑う。 …何か、大黒柱って感じ。 「で、絶対そんなお父さんには執事がいると思って。」 「…ウス」 いつも跡部部長を補佐してる樺地くんは…そんな感じかな?と思って。 「俺がお母さんって言うのは?」 「ママです、ママ!」 「Eねぇ!ママ〜」 「あ、俺も!ママ〜!」 ジロー先輩と岳人先輩が滝さんに抱き着いた。 滝さんは笑いながら抱き止めていた。…やっぱりママだ。 ジロー先輩と岳人先輩の位置も、ぴったりだと思う。 「俺も…宍戸と鳳もわかるけど、日吉は何で末っ子やねん」 「え…雰囲気?」 …ほら、何と無くわかってくださいよ、ニュアンスで。 あぁー、とみんなは納得したけれど、日吉くんは複雑そうな顔をしていた。 「あ、ペン貸して?」 滝さんが私に手を差し出す。 私はペンを滝さんに渡した。 滝さんが何やらホワイトボードに書き始める。 「…よし」 「え…?」 キュッと書き終えたらしい滝さんは、満足げに微笑んで、キャップでちょん、とその部分を差した。 長女:夢 それは、日吉くんの下に書かれていた。 「やっと生まれた女の子…みたいな?ね、アナタ?」 「…あぁ、そうだな」 「滝さん…」 滝さんがちょっとおどけて跡部部長の腕に抱き着いた。 …うわ、何か泣きそうだよ… 滝さんは大切にしなきゃね、と私の頭を撫でた。 「かわいい妹だCー!」 「そうだな!」 ジロー先輩と岳人先輩が私の両手を引いた。 みんなそれぞれ、目を合わせて笑っている。 「よし、じゃあその末っ子をがっかりさせねぇためにも明日から練習メニューを強化するぞ」 「うわ!鬼親父!」 「頑張ってね、みんな」 「うぁーん、ママ〜」 部員がたくさんいて、レギュラー枠獲得のために争い事ばっかり起こるイメージがあるかも知れない。 でも本当は、家族みたいにあったかい存在。 みんなで笑いあいながら、今、みんなで一緒にいれる時間を噛み締めた。 - fin - マジで家族パロやろうか^^← |