ずっと一緒(丸井)




いつも夢の家で俺たちは過ごしている。
ゲームしたり、二人でテレビ見たり。

幼馴染みだから。
大好きだから。

ずっと、ずっと一緒に居る。

ある日、夢はこんなことを言ってきた。


「ブン太は、私離れしなきゃ。」


…なんだよ、それ。
今みたいな生活はやめて、お前無しで生きていけって?


「ヤダ」
「ブン太…」


後ろからギュッと抱き締める。
ヤダ、夢から離れるなんて、絶対。


「だって、いつかブン太が結婚したら会えなくなるんだよ?」
「何で」
「奥さんに悪いし…」
「じゃあ俺、結婚しねぇ。」


会えなくなるなら結婚なんてしなくて良い。
…つか、夢は俺に会えなくて平気なの?


「…お前は俺に会えなくていいの?」
「いいって言うか…」
「寂しいのは…俺だけ?」
「寂しいよ!…でも、ブン太の将来とか、邪魔したくないし…」


何で邪魔になるの?
分かんない、分かんないよ。
例え夢に恋人が出来ても、応援はするけど離れるつもりは無い。
夢が結婚しても、絶対離れない。


離さない。


「夢が居ないと俺無理…」
「…分かった。ごめん、ブン太。大好きだよ。」
「俺も夢大好き。」


後で、これが恋心ってやつなんだって知った。
しかもかなり独占欲の強い、恋。

それで俺は悩むどころか好機に思えた。



何だ、それなら俺が夢と付き合って、結婚すれば良いって。




- fin -





第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -