「アイシテル」の体温



今日は部活も学校も休み。
こんな日は滅多にないから、一週間も前から予約していた、夢の膝枕。


「幸せだC…」
「それはなにより。」


萩ちゃんもやわらかくていいにおいだけど、夢もやわらかくて、萩ちゃんとはちょっと違う、いいにおい。

優しい、小さくて白いお花みたいな。
部活とか、学校とか…なんだか疲れる日常の、小さな幸せ。


「ジローちゃん、部活大変?」
「うん、大変。だけど、テニス好きだから平気〜」


そっか、と笑って俺の髪を優しく撫でる夢。
…なんだか眠くなってきたC…。


「夢〜」
「ん?」
「俺ね、夢にあえて、すっごく幸せだC」
「…ジローちゃん…」


瞼が閉じる、ほんの少し前。
何と無く、言わなきゃいけない気がして、そう呟くと体から力が抜けた。




「私も、ジローちゃんに出会えてすっごく幸せだよ。」



とびきりの笑顔付きで夢が囁いたのを、俺は知らないけど。
でも、膝から頬に伝わる優しいぬくもりが嘘じゃないのを俺は知ってるから。



「おやすみ」



おやすみ、夢。





- fin -



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