いちごミルク味 「岳人、あーん」 「ん?…お、いちごミルク。」 昔から、好きな飴。 ジローの家でお手伝いすると、1つずつ貰えたその昔ながらの飴は…何年振りなんだろ。 「これ、まだあるんだな」 「うん。見つけて思わず買っちゃった。」 ジローの母ちゃんのエプロンのポケットから、いくつでも出てきたその飴。 甘くて少しすっぱくて、俺たちの思い出みたい。 「俺、この飴と岳人どっちが好きってジローに聞かれて泣いたことある。」 「ぶっ…何それ」 「だって岳人は大好きだし…でも、飴が嫌いって言ったらジローのお母さんに悪い気がして。」 照れたようにはにかむ萩。 …そんなことがあったのか。 「今は?」 「え?」 「今は、どっちが好き?」 飴と俺。 比較すんのも変な話だけど。 俺が萩の顔を覗き込めば、萩はそうだなぁと小さく笑った。 「飴も好きだけど、岳人の方がもっと好きかな」 「ごーかく。…俺も、大好きだぜ、萩」 どちらからともなく口付ければ、やっぱりいちごミルク味。 甘さに、2人で笑いあった。 - fin - 岳滝も可愛いかっぽーでお願いします。 |