秋の空




夕暮れの公園。
あまりにも夕焼けが綺麗だったから…その景色がよく見える、その場所に自然と足が動いていた。


「考えてることは同じみたいだね」
「萩…、久しぶり」


声に振り返れば、そこには幼馴染みの姿。


「隣、良い?」
「どうぞ」


萩側に置いてあったテニスバッグを寄せる。
萩は「ありがとう」と隣に座った。


「綺麗だねぇ、夕日。」
「秋は空気が綺麗だから」


そんな秋生まれの萩には、澄んだ空気がよく似合うと思う。

盗み見るように、萩を見てみる。
髪が、夕日に照らされてキラキラしている。
それだけじゃなくて…


「…綺麗だ…」
「ん?」
「夕日そのものより、日の光に照らされた萩の方が綺麗だなぁって。」
「……周…?」


驚いたようにこちらを見る萩。
僕はその様子に少し笑いながら、萩の髪を撫でた。




「好きだよ、萩」






- fin -



不二滝は幼馴染み設定カップル。
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