鼓動がやむまで





「だーれだ?」
「わ」


半月の夜。
目の前にいた萩之介の視界を覆うと…想像通りの反応。


「萩ちゃん!」
「ふふ、正解」


俺の本体とも言うべきその子は…
今日も部活の報告を景吾にするために資料をまとめていた。

…まぁ、今まで俺もやってたんだけどね。


「2人の方が手っ取り早いと思って。」


そう言って、萩之介の手元から資料の束を半分くらい取る。
萩之介は「ありがとう」と笑った。

景吾たちが高校選抜の合宿に参加してる間…
俺たちは残された部員をまとめるのに必死だ。
もちろん、大半が協力的で助かっているけれど…跡部景吾と言う穴は大きくて。


「すごいね、景吾って」
「うん、そう思う。」


素直に尊敬。
…まぁ、彼には報告の必要はないけどね。

…って、あれ?


「…ねぇ、萩之介」
「うん?」
「さっきから、景吾の話ばっかり。」


本人同士だから、気持ちは共有で。
共通の話題ばかりだと、周りの人の話になるのもしょうがないけど。


「何かジェラシー。」
「萩ちゃん…っ?」


資料まとめも調度良く終わり…
すぐ側にあるベッドに、萩之介ごとダイブした。


「終わったよね」
「…終わったけど…」
「じゃあ、俺たちの時間ね」


同じ肌質の足が絡みあう。
素肌の感触がくすぐったい。


「…萩之介」
「ん?」
「好きだよ」


何より、誰より近くにいて。
いつでも味方で、いつでも一緒。

でも会いたいときには会えると限らない。


いつも幸せで少し切ない俺たちの関係だけど…


「…俺も、」
「うん、知ってる」



いつまでも、続く。

俺たちの鼓動が、呼吸が…止まる、そのときまで。





- fin -


滝滝は…まぁ特種なCP←
何て言うか…うん。すいません。





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