行き着く先




今まで生きてきて、「お前ほど自由な奴はいない」と何度も言われ続けてきた。
好きなことを好きなときに、好きなようにやって生きてきた結果。
さっきもたまには部活に顔出せと、白石に怒られたばかりで。


「でも、萩ちゃんほどじゃなかと思うたい。」
「そうかなぁ?」
「そろそろ東京さ帰りなっせ…」


東京で部長さんと喧嘩したとかで、3日ばかり大阪に滞在している萩ちゃん。
本当はもうそんなに気にしていないくせに、ずっといる。


「ちーちゃんは、俺嫌い?」
「好いとうよ」
「じゃあいいじゃん。」
「…そうじゃなか…向日とか芥川とか心配しとるよ?」


ごろん、と俺の隣に寝転んで空を仰ぐ。
それから「岳人とジローか…」と東京の友人の名前を呟く。


「ま、俺としてはいつまでもいとってくれても嬉かよ?」
「そのうち帰るよ。…ねぇ、もっかい好きって告って。」
「ん」


体を起こして俺を見上げる。
俺は少しだけ屈んで、薄いその唇に口付けた。



「好いとうよ」
「…ありがと。」



俺以上に気紛れな君が、最終的に選んでくれるのが俺の隣であることが、とてもうれしくて。
好き、の言葉に微笑んでくれるのも、うれしくて。


いつまで続くかなんて、考えないようにしよう。


気紛れな君が、ずっと俺の隣を選んでくれますように。
そう、祈るだけ。







- fin -


部活一の気紛れ者同士だったりしたら面白い。
千歳の行動範囲に比べて滝は日本国内ならどこにでも気紛れにいっちゃいそうです。








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