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おがにゃんは猫だ。
…と思う。たぶん。

何しろ、見かけは猫耳と尻尾の生えた成人男性にしか見えないので。

髪の毛の色は黒。
ツーブロックのオールバックという特徴的な髪型で、髭にもこだわりがあるらしい。
黒目がちな目は、見つめていると吸い込まれてしまいそうになるほど真っ黒だ。
身体にはどこもかしこもしっかり筋肉がついていて非常に逞しい。
腕なんか太くて、私を片腕で抱き上げてしまえるほどだ。

いつの間にかうちに居着いていたおがにゃんは、今日も我が物顔でソファに陣取り、片手で髪を撫で付けながらパソコンで株価をチェックしている。
株価を見守る猫。
やっぱり、おがにゃんは普通の猫じゃない。

ネズミを見ると猫目になるけど。

ちなみにキャットフードは食べない。
人間と同じ食事をとっているから、身体的には人間に近いのだろう。

雄猫の性器には返しが付いているそうだが、おがにゃんにはそれがなかった。
普通の…いや、かなり大きくて太い立派な男性器だった。
ソレで処女を奪われたのだから間違いない。

そう、おがにゃんは飼い主の私を犯したのである。

「なあ、なまえ。交尾しようぜ」

と、すり寄って来たかと思ったら、そのまま……。
その時のことを思い出すと今でも涙が出てくる。
猫耳尻尾のある猫人間といかにして交尾に及んだかについての詳細を語るのは勘弁してもらいたい。
ただ、凄かったとだけ言っておこう。

その日以来、おがにゃんは毎日のように私を求めて来るようになった。

もしかして発情期なのかと思って、そう尋ねると、

「冗談じゃねえ。その辺の野良猫じゃあるまいし」

と格好つけて言われたので、ただ単におがにゃんがスケベなだけのようだ。

おがにゃんによると、母猫は普通のイエネコだったそうだ。
それが、有名な大会で優勝したこともある花沢中佐という雄猫に孕まされて生まれたのがおがにゃんなのだとか。
花沢中佐はもう死んでしまったけれど、ブリーダーの元には血統書付きの勇作という異母兄弟がいるらしい。

そうした複雑な生まれがおがにゃんをこんなひねくれた性格にしてしまったのかと思うと少しかわいそうな気がする。

だからと言って、毎日えっちするのはどうなの。

「なんだ、キスして欲しいのか?しょうがねえ、来いよ」

おがにゃんのスケベッ!


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