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7月1日にオープンしたばかりのホテル、ハイアットプレイス東都ベイに来ている。

「しばらく忙しくて、どこにも連れて行ってあげられなかったから」

と零さんが連れて来てくれたのだが、あまりの高級さにキョドってしまいそうだ。
フロントでチェックインを済ませてから案内された部屋も豪華で、何より窓からの眺望が凄かった。
いわゆるオーシャンビューというやつである。

「トロピカルランドが見えますね」

「近くてアクセスもいいから、トロピカルランドの利用客が泊まっていくらしい」

行きたい?と尋ねられて首を振る。

「色々なことが落ち着いたら行ってみたいですけど、いまはいいです」

「すまない。君には気を遣わせてばかりだね」

「零さんこそ。私に気を遣ってばかりじゃないですか」

「それじゃあ、今日はお互い遠慮は無しということで」

零さんがにっこり微笑む。
何だか嫌な予感がして逃げようとした身体を後ろからしっかりと抱き締められた。

「いま、僕から逃げようとした?」

「れ、零さん……」

「酷いな。逃げようとするなんて」

うなじにキスをされてゾクゾクする。
ピンチだ。

「そんな悪い子にはお仕置きが必要だな」

「きゃっ」

いきなり抱き上げられたかと思うと、ベッドの上に降ろされた。
すかさず零さんがのしかかってくる。

首筋から鎖骨のあたりにかけて、ちゅっちゅとキスを落とされるたび、零さんの髪が肌をくすぐるので、くすぐったい。

「零さんっ、零さん……待っ」

「待たない」

「んんー!」

口付けで口を塞がれ、抗議の言葉が吸い込まれて消える。

「ん、ちゅぱ……ふぁ……」

「ふふ、可愛い」

舌を出して舐め合いながら服を脱がされてしまい、もはや全ては無駄な抵抗に過ぎなかった。
本気になった零さんに勝てるわけがないのだ。

「零さぁん」

私は零さんの引き締まった身体に腕を回して、零さんから与えられる快楽に身を委ねた。





「大丈夫かい?なまえ」

「ん……はい」

「おいで。シャワーを浴びよう」

零さんに抱っこされてバスルームに連れて行かれた私は、彼の手によって隅々まで丁寧に洗われた。
零さんのなめらかな褐色の肌の上を水滴が流れ落ちていく様は、いつ見ても凄絶な色香に満ちている。
私は零さんに悩殺されて半ばぼんやりしたまま身体を拭かれ、バスローブを着せられた。

「お腹がすいただろう。レストランに行こうか」

ドライヤーで髪を乾かし終えた零さんが言った。

「ルームサービスでもいいけど、ここのレストランからの眺めは最高だから」

「でも、服が……」

私達が着ていた服はランドリーサービスに出してしまっていたのでそう尋ねたのだが、そこは降谷零、ぬかりはなかった。

「大丈夫、ちゃんと用意してあるよ」

そういうわけで、私達はレストランにやって来た。
零さんが私のために用意してくれたのは、ドレッシーなワンピース。
背中が大きく開いていて少し恥ずかしいけれど、零さんが選んでくれたものだから、似合わないということはないはずだ。

案内された席は一番眺めが良さそうな特等席だった。
どうやら零さんが予約しておいてくれたらしい。

「気に入った?」

「もちろん!最高です!」


私の旦那様は、私にはもったいないくらい最高の男性です。


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