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「お屠蘇?」

「俺が作った、な。多少アレンジはしてるが効果は保証するぜ」

ご丁寧に屠蘇器まで用意してきた薬研は、屠蘇台から銚子を取り上げ、盃にその中身をとくとくと注いだ。
確かにお正月にはお屠蘇を飲むものだというけれど。

「お屠蘇なんて久しぶり」

「そうなのか?」

「実家にいた頃は御節とか割とちゃんとしてたんだけどね。大学からはずっと一人暮らしだったし、お正月らしいことはあんまりしなかったなと思って」

「昔の大将の話か、興味深いな。良かったら聞かせてくれ」

「うん」

請われるままに審神者になる以前の生活について語って聞かせると、薬研は時折質問を交えつつ真剣な顔つきで聞き入っていた。
そうする内に、何故か身体が火照ってきて、なまえはまさかという思いで薬研の端正で色白な顔立ちを見据えた。

「薬研…?」

「そろそろ効いて来たか」

頃合いだな、と呟いた薬研がなまえの頬を撫でる。
火照った肌には体温の低い薬研の手が心地よく感じた。

「んっ…」

そのまま薬研の顔が近づいてきて口付けられる。
怯えて縮こまる舌を熱い舌に絡めとられて吸われると、下腹部がずくんと疼いた。
それはゆっくりと効いてくる毒のように、じわじわと全身に広がっていき、なまえの身体を蝕んだ。
熱くて熱くてたまらない。

「や…薬研…」

「わかってる。つらいよな」

優しく囁いた薬研がなまえの首筋に唇を寄せながら、その襟元から手を忍び込ませる。
やわやわと胸を揉まれ、敏感になっている乳首を指先でくにくにと弄られると、もう駄目だった。
なまえは両腕を薬研の首に回して縋りつき、甘ったるい吐息を漏らした。

「はぁっ……んッ」

首筋を吸っていた薬研にキスをねだる。
すぐに応えて深い口付けをくれた薬研に縋りつきながら、なまえはもじもじと太ももを擦り合わせた。

それを見た薬研が、ふっと笑ってなまえの太ももを意味ありげに撫であげる。

「欲しいか?大将」

薬研は男らしい動作で着ていた白衣を脱ぎ捨てた。
そうして、なまえをゆっくりと押し倒す。

「俺もだ。欲しくて欲しくてたまらない」


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