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自分で冬の景趣にしておいてなんだが、朝、寒くて起きられない。
正確には、目は覚めるけれど布団から出られない。

冬だから雪が降ってるし。
冬だから雪が積もってるし。

そこで私の優秀な近侍は、私が起きるずっと前から炬燵とストーブのスイッチを入れて部屋を暖めておいてくれるようになった。
そうして、充分暖まった頃合いを見て起こしに来てくれるのだ。

「主、失礼致します」

障子越しに声をかけた長谷部が室内に入って来る。
そのまま続き部屋で寝ている私の所まで来て、未だに布団の中でぐずぐずしている私を優しく起こしにかかる。

「朝ですよ、主。起きて下さい」

「ん……もうちょっと」

「わかりました」

掛布団を捲られたと思うと、長谷部に抱きしめられて優しいぬくもりに包まれた。
ぬくぬくとしてあたたかいから、ついまたうとうととしてしまう。

「俺がお側についていますから、構いませんよ」

「ん、はせべ…」

長谷部の胸板に頬を擦り寄せると、優しく背中を撫でられた。
ゆっくりと背中を撫でるのを繰り返されて、しばし浅い眠りの合間を漂う。
そのまま幸せな時間を堪能していたが、いつまでもそうしているわけにはいかない。

「起きますか?」

「ん」

「おはようございます、主」

「おはよう、長谷部」

お姫様抱っこで隣の部屋へ運ばれ、炬燵の中に入れられる。
炬燵の上にはお湯を入れた洗面器が置かれており、まずはそれで顔を洗う。
すかさず差し出されたタオルで顔を拭き、ほうと息をついた。

「朝餉は食べられそうですか?」

「うん」

台所から運んでくれた朝餉を炬燵の上に置き、代わりに洗面器を下げる。
今朝は鯖の味噌煮と白菜の漬物、だし巻き玉子とお吸い物だ。

「さあ、主」

「うん、いただきます」

長谷部が鯖の味噌煮を箸で器用にほぐして身から骨をとり、口元に運んでくれるのでそれを食べる。
うん、美味しい。

「今日は味噌煮だからお吸い物なんだね」

「はい。お口に合うと良いのですが」

「光忠と長谷部が作ってくれたんでしょう?美味しいに決まってるよ」

「主…」

堪らなくなったように長谷部に口づけられる。
背中に添えた手と後頭部を支える手にがっちりと固定されて激しく貪られると、子宮がきゅんと疼いた。
それをわかっているかのように長谷部が寝間着の合わせ目から手を入れてあたたかい手で胸を直に包み込む。

「は、長谷部…」

「少しだけ、ですから」

そう懇願した唇がまた重ねられる。
欲を煽るような口づけに身体が素直に反応した。

「んっ、んっ…!」

合わせ目から引き出された左胸をやわやわと揉みしだかれ、唇が離れたかと思うと、長谷部は屈み込んで胸に吸い付いた。
ちゅくちゅくと吸われ、長谷部の頭を抱え込むようにして悶える。

「あん……長谷部、はせべっ」

思わずねだってしまう。
長谷部の手が寝間着の裾を割って入りこみ、既に濡れはじめていた秘部に指が差し込まれた。
胸を甘噛みしながら指を抜き差しされ、身体をびくびくと跳ねさせてイッてしまう。

「さあ、主。朝餉がまだ残っていますよ。早く召し上がって下さい」

長谷部が引き抜いた指を見せつけるように舐める。

「も、もう…長谷部!」

「はは、もうすっかり目が覚めたようですね」

朗らかに笑った長谷部が、何事もなかったかのように給仕を再開する。
長谷部に勧められたお吸い物はとても美味しかった。


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