──しかし、結局は疲労と睡魔には勝てなかったらしい。 なまえはベッドの中で目を覚ました。 目を覚ました、ということは、つまり眠っていたということである。 赤屍が寝かせてくれたのだろう。 なまえはきちんとベッドに横になっていて、毛布も布団も掛けてあった。 「赤屍さん…?」 赤屍の姿はない。 部屋の中はまだ暗いから、朝ではないはずだ。 急いで時計を見ると、12時半近く。 最後に時間を確認してからまだそれほど経ってはいなかった。 完全に覚醒したなまえはベッドから起き上がり、ドアへと向かう。 鍵は開いていた。 ドアノブを掴んで押すと、キイ……と小さく軋んでドアが開く。 廊下は真っ暗だ。 なまえが眠っている間に誰かが電気を消したらしい。 殺人鬼か、それとも他の誰かか。 なまえは足音を立てないようにしながら、そっと部屋の外に出た。 |