なまえと半兵衛は手作りギフトの体験講習会にやって来ていた。 ここでは専任の講師がウェルカムボードやゲストカードなどのアイテムや、ブーケの作り方を教えてくれるらしい。 「特に手作りにはこだわらないけど、やはりブーケは白がいいな」 ラウンドタイプの白薔薇のブーケの見本を見て半兵衛が言った。 「それを紫のリボンで結べば完璧だ」 「半兵衛さんのイメージカラーですね」 「僕の色に染めたい、と言ったら少し気障に聞こえるかな」 「いいえ、素敵だなって思います」 あ、でも、となまえは困ったように眉を下げた。 「ブーケってあげちゃうんですよね。どうしよう」 「二つ作ろうか。僕が作ってプレゼントするよ。それは君が持っていればいい」 「本当ですか?有り難うございます!」 ブーケトスはやることにしていたから、ゲストに投げるものとは別にブーケを作るというのは願ってもいない提案だった。 「そうなると、ゲストカードや招待状も白を基調にしたもので統一したいね」 「そうですね」 半兵衛の意見に異論はない。 なまえもそうしたいと思っていたからだ。 半兵衛に一番似合う色で結婚式を彩りたかった。 「あ、向こうでバスソルトも作れるみたいです」 「それも作っていこう。秀吉が最近夫婦でハマっているそうだから。きっと喜んでくれるだろう」 ここで秀吉さんかよ! とは思ったものの、なまえもバスソルトが欲しかったし、半兵衛のソレはいつものことなので、もう文句の言葉も出て来ない。 「君が作ったバスソルトは今晩一緒に入って試してみよう」 「半兵衛さん、えっちなこと考えてる目してますよ」 「そうかい?そんな僕が好きなのは誰かな」 私です、となまえは素直に認めざるを得なかった。 |