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モモンの実一つにアッキの実を二つ、甘味を加えるためのマゴの実を一緒に木の実ブレンダーに入れる。
レバーを回して、ころりと出てきたポロックを手の平に乗せ、じっと見つめた。
本来こうしたポロックは、ポケモンのコンディションを整えるためのものである。
今作ったのは、“かわいさ”を上げるポロックだ。

「なまえちゃん?」

あまりにもじっと見つめ過ぎていたせいか、ダイゴの不思議そうな声が後ろから聞こえてくる。
今日は休みで、石探しにも行かず家にいたのだ。
なまえは意を決して、手の平の上に乗せたポロックを口に含んだ。

「ええっ!?なまえちゃん!」

驚いたダイゴが慌てて駆け寄ってくる。
当然だ。自分でも自分の行動に驚いているのだから。
ごくんと飲み込んでから、

「びっくりした…」

「いや、びっくりしたのはこっちだよ」

冷静に突っ込まれてしまった。
両頬を手で包み込まれるようにして顔を上げさせられる。
覗き込んでくる顔は心配そうだ。

「大丈夫かい?気持ち悪かったりしない?」

「平気です。これで少しは可愛くなったかなあ」

「君はとても可愛いよ」

苦笑したダイゴに抱きしめられた。
細く見えるけれど、やはり男性だから、抱きしめてくる腕は力強い。
その事実にきゅんとした。

「本当に、目が離せないね、君は」

「ごめんなさい」

「責めているわけじゃないよ。ただ、君は、僕がついてないとダメだなと思ったんだ」

「はい、離さないで下さい」

ぎゅううっと抱きしめ返すと、吐息のような笑い声が耳をかすめた。

「もういっそ、ここから一歩も外に出さないで、この部屋の中だけで暮らしてもらおうかな」

「はい、いいですよ」

「本当にわかってる?」

「はい、もちろん」

「僕から離れちゃダメだよ」

「はい、喜んで」

「愛してるよ、なまえちゃん」

「私も愛しています」

暫くそうして抱き合っていたが、やがて、どちらからともなく唇を重ねた。
ダイゴの舌はあたたかく、ぬるりとなまえの舌に絡んで吸い上げられる。
さっき食べたポロックより甘い。

こっちのほうが可愛くなれそうだとなまえは思った。

もっと、とおねだりすると、小さく笑ったダイゴが何度も角度を変えて口付けてくる。

「いつの間にそんなに甘え上手になったのかな」

「ダイゴさんが甘やかしてくれるから」

「僕のせいか、なるほど。じゃあ責任をとらないといけないね」

ダイゴが首元に指をやり、しゅるりと音を立てて赤いスカーフを抜き取る。
その密やかな音を耳にしただけで、なまえはこくんと喉を鳴らした。

「どうやら期待されているみたいだし」

「ごめんなさい」

「謝ることはないさ。こんなになっているのも僕のせいなんだろう?」

内ももを擦り合わせるようにして、頷く。

「やっぱり君は可愛いね」

ダイゴはもう一度触れるだけのキスを唇に落としてなまえを抱き上げた。
ベッドへと運びながら、優しい声で囁く。

「任せてくれ。責任はとるよ。一生をかけてね」


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