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「見るがいい、俺の魂を受け継ぎし新たなる力を!」

「デッキに新しいカード入れたんだね、海馬くん」

「どうしてもというのなら、その手にとって見ても構わない」

「ありがとう」

海馬くんから手渡されたデッキを受け取り、一枚ずつカードを見ていく。

「このカード綺麗だね」

「クリスタルドラゴンか。なかなかいい着眼点だ」

海馬くんはそのカードがデッキの中でどんな役割を持っているか、どんな状況で力を発揮するかを説明し始めた。

海馬くんは次元を越えて黄泉の国にいるアテムくんに会いに行こうとしている。
そんな無茶が出来てしまうのが、この海馬瀬人という人物なのだ。
彼にはそれを実現させられるだけの頭脳と財力と技術力がある。

問題は、それをやるとなると、限りなく『死』に近づくということだ。
木馬くんも心配しているが、彼でも今回ばかりは海馬くんを止められなかった。
だから私は怖くてたまらない。

「お前は何を恐れている」

私からデッキを受け取った海馬くんが言った。

「俺が怖いわけではないだろう」

「うん」

「ならば、何故そんな顔をする」

顎を掴まれて顔を上げさせられる。
海馬くんの強い眼差しとぶつかって瞳が揺れたのがわかった。

「海馬くんが死んじゃうんじゃないかって…」

「俺は死なん」

呆れたように手を離される。

「俺にはまだ成すべき事がある」

「木馬くんを置いて行ったりしないよね」

「当然だ」

フンと鼻を鳴らして彼はシステムのほうへ目を向けた。

「ここにお前と木馬がいる限り、何があろうと必ず戻ってくる」

それでもやっぱり不安は消えなくて。
遠くを見据える眼差しに胸が苦しくなる。

ただひたすらに、彼の心をとらえて離さないアテムくんが羨ましいと思った。


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