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会長の着ぐるみのお腹に頭を預けて眠る寧々音先輩に、平家先輩が毛布をかけてあげている。
甲斐甲斐しいというか、大事にされてるなぁと、こちらの胸までほんわか温かくなる光景だ。
寧々音先輩がロリっぽいせいか、大きいお兄さんと小さい女の子的な構図なのが余計萌える要因になっているのかもしれない。

「苗字さんもお昼寝しますか?さあどうぞ、ウェルカムですよ!」

平家先輩がウキウキした様子で自分の膝の上をぽんぽん叩いて誘う。

「いえ、私は大丈夫です」

私は首を横に振って遠慮すると、頭に引っかかっていた疑問を口にした。

「寧々音先輩や平家先輩と私は小さい時に会ってるんですよね?」

「ええ」

「どうしても思い出せなくて……すみません」

「いいんですよ、あなたのせいではありません」

平家先輩はそう言ってくれるが、もしも私が逆の立場だったらショックだと思う。

「記憶力には結構自信があったんだけどなぁ…」

私は腕を組んでうんうん唸った。
どうしてもさっぱり何にも少しも思い出せない。

「何か、平家先輩の子供の頃の姿って想像出来ないというか、平家先輩はずっと平家先輩な気がするというか」

「グレートアンサーです。そう、私は常に平家。昔も今も平家です」

失礼な事を言う後輩だと機嫌を損ねることもなく、怪しげな笑顔のまま平家先輩はそう答えた。
意外とノリが良くてお茶目な人なのかもしれない。

「…あなたはそれで良いんですよ」



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