「おはよう、なまえ」

目が覚めると、傑くんの逞しい身体に包み込まれるように抱き締められていた。
二人とも裸のままで。
そうだ。昨日、私は傑くんと……。

「身体は大丈夫かい?痛いところやおかしなところは?」

「だ、大丈夫」

傑くんは最初から最後までずっと優しかった。
行為が終わった後も離れがたくてしばらく抱き合ったままでいたのだけど、素肌に感じる傑くんの筋肉質な身体の感触や体温が心地よくてそのまま眠ってしまっていたらしい。下腹部や身体に不快感がないのはきっと傑くんが拭いてくれたからだろう。
その代わりというか、傑くんの手や指や唇で愛撫された感触をまざまざと思い出してしまい、恥ずかしくて堪らなくなった。

「やだやだ見ないでっ」

「どうして?君が眠っている間ずっと見ていたけど可愛かったよ」

切れ長の目を優しく細めて微笑んだ傑くんに顔を覆った手をそっと退けられて唇にキスをされる。

「可愛い」

蜂蜜を溶かしたような甘い声。
ちゅ、ちゅ、と頬や額に落とされるキスも優しくて、嬉しいのにいたたまれない気持ちになった。どうしていいかわからない。

「一緒にシャワーを浴びよう。綺麗にしてあげる」

「ひ、ひとりで出来るから……」

「寂しいことを言わないでくれ。私が洗ってあげたいんだ」

ダメかな?と悲しそうな顔で言われてしまうとそれ以上断れなかった。

「えっちなことしないなら」

「したい」

「だ、だめっ」

「どうしても?」

そう言って傑くんが私に口付ける。今度は優しいばかりのキスではなかった。深く口付けられて、長い舌でねろねろと口腔を愛撫される。

「…んっ…んむっ…ぁん…っ」

キスをしながら大きな手が私のお尻を鷲掴み、やわやわと揉みしだいた。そうしてお尻の割れ目の奥にある秘めた場所に指が忍び込んでくる。そこは既に濡れていた。

「優しくするから」

欲望を湛えた目で見つめられてしまうと、もうだめだった。髪を下ろした半裸の傑くんが色っぽすぎるのがいけない。

狭いシャワー室の中で片脚を上げた状態で大蛇のような傑くんのものに貫かれ、がつがつと腰を打ち付けられながら、午前中の授業に間に合うかなと頭の片隅で考える。
しかし、それもやがて快楽の波に流されて何も考えられなくなってしまった。


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