高専に入学してから基礎体力不足を実感したため、体力作りのために早朝走り込みをするようになった。
グラウンドを三周するところから始めて、最近では起伏に富んだ敷地内を走れるまでになっていた。

「や。おはよう!頑張ってるねえ!」

今朝もそうして走っていたところ、そろそろ息が切れてきた辺りで五条先生に捕まってしまった。

「いいことだと思うよ。入学してきた時とは段違いで良く動けるようになってるし。ま、僕が教えてるんだから当然だけどね」

長いコンパスで悠々と並走してくる五条先生怖い。それだけならまだしも、手拍子しながら煽ってくるので始末におえない。

「はいはい頑張って!そろそろ辛くなってきた?ほーら、頑張れ頑張れ!」

「ごじょう、せんせえ、邪魔、しないで、くださいっ」

「ヤバい。息を切らしながら話すの、セックスの時みたいで興奮する」

どうしよう、この人ダメな大人だ。わかってたけど。

思わず力が抜けてしまい、その場にへなへなと崩れ落ちる。五条先生のせいでもう一歩も動けそうにない。

「あれ?もうおしまい?」

そう笑った五条先生にひょいと抱き上げられる。

「じゃ、シャワー浴びに行こうか」

抵抗する余裕もないまま、歩き始めた五条先生に連行されていく。

「先生、寮はそっちじゃな……」

「うん。行くのは僕の部屋だからね」

目隠しのせいで目が隠れていても、笑みを浮かべた口元だけで五条先生が良からぬことを考えているのがわかった。

「僕が綺麗に洗ってあげる。外もナカもごしごし擦り洗いしようね」

最後の力を振り絞ってじたばた暴れてみたが、「嫌がっても余計に燃えるだけだよ」とキスで黙らされてしまって逃げることは出来なかった。


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