いつもと同じように任務を終えた後、気が付くと全く知らない場所に立っていた。
混乱はしていたが、冷静に状況を判断出来たのは皆がいたお陰だ。

「領域展開、じゃないわよね?」と野薔薇ちゃん。

「違うな。でも、邪悪な気配を感じる」

「ねえ、ここに手帳が置いてある」

中身を確認すると、それは私達よりも前にここに来た女性による手記だった。

ここはエンティティという邪悪な生命体によって作られた世界で、様々な次元から拐われてきた人達がサバイバーとして殺人鬼から逃げ回るデスゲームを強制されているらしい。
サバイバーが助かるためにはフィールド内に七つある発電機のうち五つを修理してゲートを開き、そこから脱出するしかないということだった。

「目的ははっきりしたわね。手分けして発電機を修理しに行くわよ」

「バラバラになんのはヤバくね?殺人鬼がどんなやつかもわからんし」

「虎杖の言う通りだ。単独行動はやめたほうがいい。二人一組で行動しよう」

話し合った結果、虎杖くんと野薔薇ちゃん、私と伏黒くんの二組に分かれて発電機を探すことになった。

「伏黒くん、これじゃないかな発電機」

「ああ。直せそうか?」

「やってみる」

「俺もやる。見張りは玉犬に任せよう」

玉犬に見張って貰いながら二人で発電機の修理に取りかかる。難しい造りではないのは幸いだったが、時間がかかりそうだ。

「こんな時に五条先生がいてくれたらなあ」

「呼んだ?」

「えっ、五条先生!?」

「はーい、なまえの大好きなグッドルッキングガイの五条先生ですよー」

最初は幻かと思った。でもこの軽いノリの感じは本物の五条先生だ。

「本物みたいですね。どうやってここに?」

「なまえの匂いを辿って」

「おい、苗字、セクハラで訴えていいぞ」

「恵ってば、せっかく助けに来てあげたのにひどくない?」

「助ける気あるんですか」

「もちろん」

発電機の修理で汚れた手をハンカチで拭いていたら、ひょいと五条先生の肩に担ぎ上げられた。

「とりあえず、悠仁と野薔薇と合流しよっか」

虎杖くん達はすぐに見つかった。向こうも私達を探しに来ていたようだ。五条先生の呪力を察知したのだろう。

「わ、マジで五条先生だ。釘崎すげえ」

「というか、どうやってここに来たのよ、アンタ」

「なまえの匂いを辿って」

「なまえ、セクハラで訴えていいわよ」

「野薔薇まで!僕の扱いひどくない?」

担ぎ上げたままの私の胸に顔を埋めて泣き真似をする五条先生を伏黒くんと野薔薇ちゃんが白い目で見ている。
虎杖くんはこんなわけわからん場所まで来られちゃう五条先生すっげー!と純粋に感動していた。

「なるほどね」

私が拾った手帳に書かれていた内容について話すと、五条先生は納得したように頷いた。

「殺人鬼ってあれか。妙な殺気を放ってるのがいたから適当にボコって近くにあったフックに吊るしておいたんだけど」

「先生、それたぶん殺人鬼が俺らを吊るすためのやつ」

「マジで?それに自分が吊るされちゃったの?ウケるね」

虎杖くんの言葉に五条先生がケラケラ笑う。

「それでさ、吊るしたやつの上に黒いもやに包まれた鉤爪みたいなのが出てきたからそいつも赫で吹き飛ばしちゃったんだけどさ、もしかしてまずかった?」

「それたぶんエンティティってやつです」

「あ、やっぱり?だからこの世界消えかけてるのか」

五条先生がそう言うが早いか、突然地面が揺れ始めた。ガラガラと何かが崩れていく音が響いてくる。

「じゃ、帰ろうか。僕に掴まって」

先生がムラサキを放つと同時に正面の空間が歪み、その向こうに見慣れた景色が見えた。
五条先生が先生に掴まっている皆ごと浮かび上がり、猛スピードで次元の裂け目を飛んで通り抜けていく。

「もう大丈夫だよ。みんなお疲れ」

地面に足がついた皆が五条先生から離れて立ち上がる。
そこは高専の結界のギリギリ外側にあたる場所だった。

「ありがとうございます、五条先生」

「いいよ。可愛い教え子のためだからね」

そう笑った五条先生に抱き上げられる。

「お礼はとりあえずソーププレイからでいい?ベッドでは僕がご奉仕するからさ」

「先生、さすがにそれはまずいって」

「えー、ダメ?じゃあ、キスだけでもしとこ。なまえ、くち開けて」

「んっ、んっ」

「先生、それもまずいって」

とりあえず、みんな無事に帰って来られて良かった。五条先生がいなかったらどうなっていたことか。それはともかくとして。

私と五条先生との攻防はまだまだ続くようだ。


 戻る 

- ナノ -