正直に認めよう。私が悪かった。
先にきっかけを作ってしまったのは私だったからだ。

ある水曜日の穏やかな午後。
その日は珍しく任務がなくて座学の授業だけだったため、私は放課後に傑くんの部屋を訪れていた。
私と傑くんはベッドに並んで座り、他愛のないお喋りをしていた。
ふと香ってきた傑くんの匂いにつられて、思わず彼のほうに顔を近付けて、くん、と匂いを嗅いだ私は、ほうと息をついた。

「傑くん、いい匂いがする」

「そうかな」

「うん、何だか安心するような、いい匂いがする」

すると、傑くんは私の腰を抱き寄せるなり首筋に顔を埋めた。そのまま、すんすんと匂いを嗅がれる。

「君も甘いいい匂いがするよ」

「そ、そう?」

傑くんはにっこり微笑んだ。

「ああ、私の大好きな香りだ」

「あ……傑、くん……」

「ここも、ここも、甘い匂いがする」

その後の展開は察して欲しい。
お互いに好意を抱いている年頃の男女がベッドの上に二人きり。そういう雰囲気になってしまっても仕方がないと思う。

「は………すぐる、く、……んっ」

「うん、気持ちいいね」

既に上着は取り去られて、ブラだけ。
甘いキスと丁寧な愛撫を施されてあっという間に息が上がる。
熱くなった素肌に手を這わせながら傑くんは私のお腹辺りに唇を寄せていたが、その手がスカートを脱がせたところまでは良かった。というか、もうぼうっとなってしまっていたので反応が遅れてしまった。
傑くんが私の下着に手をかけ、するりとタイツごと脱がしてしまう。

そして、おもむろに私の股間に顔を埋めようとしたので、私は慌てて彼の肩に手を突いて止めた。

「そ、そこはだめ!」

「どうして?」

「汗かいたし、まだシャワー浴びてないから……」

「汗とおしっこの匂いがするからかい?」

「え、あ、うん、まあ」

「それがいいんじゃないか。ほら、手をどけて君の味と匂いを堪能させてくれ。もう辛抱堪らないんだ」

「傑くん、ちょっとは隠す努力をして」


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