病気のため今まで働いていた職場を辞めることになり、現在求職中の身である。
このままではいけないと、司書の資格を取るために某学園に申請したところだった。
上手くいけば、数ヶ月後にはオンライン受講に励んでいるはずだ。

「ただいまー」

「お帰りなさい」

出迎えてくれた赤屍さんにぎゅーっと抱きついて、まずは赤屍さんを補給する。
いい匂いがしてほんのりあたたかい。
はあ、癒される。

「先にシャワーを浴びてきて下さい。夕食の準備をしておきますから」

「ありがとうございます」

赤屍さんに着替えを渡されてそのまま浴室に向かう。これが赤屍さんの家だったら一緒に入って洗ってもらっているところだが、残念ながら我が家の浴室はそこまで広くはない。

「赤屍さん、上がりました」

シャワーを済ませて部屋着に着替えて戻ると、既にテーブルには料理が並べられていた。どうやら今日は和食らしい。
炊き込み御飯と温野菜の甘酢餡掛けに、カレイのみぞれ合え。

「わ、美味しそう」

それに何よりヘルシーな感じがする。

「頑張っている貴女には栄養をとってもらわなければいけませんからね」

「赤屍さん、大好きです」

「私も愛していますよ」

ちょっとグラビティな愛が心地よく感じられるのだから、すっかり赤屍さんに慣らされてしまったものだ。

いただきますと手を合わせて食べ始めた私の頭を赤屍さんが優しく撫でてくれる。

「お勉強、あまり無理はなさらないように頑張って下さいね」


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