「赤屍さんって猫みたい」

赤屍の膝に頭を預けながらそんな声を言う恋人に、彼はクスッと笑みを漏らした。

「何故です?」

「だって、気まぐれで、何を考えてるかわからなくて、ふっといなくなったかと思うといつの間にか後ろに立ってたりするんだもん」

なるほど。確かに的を射た喩えではある。

「貴女も猫のようですよ」

猫にそうするように喉を擽ってやりながら赤屍は囁いた。

「どうして?」

「私の膝の上が好きですし、とても柔らかくてしなやかな体をしていますからね」

腕の中でなまめかしくくねる肢体を思い描きながらそう告げれば、それを感じ取った恋人は顔を赤く染めた。

「それに、昨夜も私の背に爪をたてて、可愛い声で鳴いていたでしょう」

「赤屍さんの変態っ!」

そんな会話から程なくして。
ソファから場所を移したベッドの上で二匹の猫は絡み合って戯れていた。



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