「チョコ好きですよね?」

思えば、笑顔でそう問われた時からこうなることは決まっていたのだ。


「これはこうやって食べるものなんですよ」

「う、うそっ!」

「クフフ…おや、僕を疑うんですか?」

なんて悪い男だろう。
羞恥に震えながら見上げれば、世にも美しい顔が妖しい微笑を湛えて見つめ返してくる。
右の赤には六の文字。
左はサファイアのような青。
オッドアイの青年は猫撫で声で甘く囁いた。

「君に嘘は言いませんよ」

至近距離から届いたその吐息が少女の肌をくすぐる。
骸がその手の平で包み込むようにすれば、適度な弾力があり、どこまでも蕩けそうに柔らかい。
ぷるんとしたゼリーのようなその胸の間に垂らしたチョコレートを、赤い舌が見せつけるように舐め上げていく。
ねっとりと肌を辿る男の舌はやけに熱く感じられた。

「あっ」

甘い吐息とともに口が開く。
そこにチョコレートを絡めた指を入れて、骸は彼女にもそれを舐めさせる。

「舌を絡めて…そう、いい子ですね。上手だ」

言いながら、今度は柔らかい胸の先端にくりくりとチョコレートを塗りつけていく。
この悪魔のような美貌の青年が何をしようとしているかは明らかだった。

「だ、だめ、だめっ、骸…!」


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