※どうぶつの森パロ お金になる虫はめったに捕まえられないから慎ましい暮らしをしているものの、恩人を食事に招くぐらいのことは出来る。 「リヴァイさん、リヴァイさん。今日ご飯食べに来ませんか?」 「ああ」 素っ気ない返事だけど、この人が優しい人だということはもうよくわかっている。 この村まで連れて来てくれたし、祖母の最期も一緒に看取ってくれた。 それはそうと、うさぎの私は、彼を家に招いた夜にまんまと食べられてしまった。性的な意味で。 まさかあの潔癖なリヴァイさんがそんなまねに出るとは思わず驚いたが、私のささやかな抵抗などものともせずに、いとも容易く私の貞操は奪われてしまったのだった。 そんなことがあったのに何故自らリヴァイさんを招き入れるのか。 それは私も彼のことを好きになってしまったからである。 単純だと言われても構わない。私はリヴァイさんが好きだ。 「お前の飯は美味い」 「ありがとうございます!」 「お前自身もな」 「!!」 「可愛い顔するんじゃねぇ。押し倒すぞ」 「真顔で言ったら怖いです…」 「怖がるな。食いたくなるだろ」 狼はうさぎを食べるもの。 そう言ったらそれまでだけど、リヴァイさんとはもっと踏み込んだ関係になりたい。 つ…つがい、とか。 「あの、じゃあ待ってますね!」 リヴァイさんと別れて走って家に帰り、食事の支度にとりかかる。 下ごしらえから入念に。 料理は愛情だ。 家の中も綺麗に掃除して精一杯居心地が良くなるように頑張った。 「お帰りなさい。見回りお疲れさまです」 「ああ、ただいま」 村の見回りを終えたリヴァイさんが家に来てくれたのは夕方になってからだった。 リヴァイさんから上着を受け取ってハンガーに掛けて吊るす。 リヴァイさんが手を洗っている間にテーブルをセッティング。 温めたシチューやパンを並べて行く。 全部揃ったところでリヴァイさんが椅子に腰を下ろした。 「頂くぞ」 「はい、どうぞ召し上がれ」 楽しい夕食の始まりだ。 黙々と食べるリヴァイさんをにこにこと見守りながら私も自分の分の食事を食べ進めていく。 あっという間にたいらげてしまったリヴァイさんが上品に口元をナプキンで拭いた。 「ナナミ」 「はい?」 食後の紅茶を淹れていたら、リヴァイさんが何かを差し出した。 「何ですか?」 「開けてみろ」 なんだろう、と小さな箱を開ける。 「えっ!?」 入っていたのは綺麗な指輪だった。 「プロポーズにはそれが必要らしいからな」 「リヴァイさん…!」 「俺のものになれ」 「はい……はい!」 感極まって泣き出した私を、リヴァイさんが抱き締めてくれる。 進撃村に引越してきて三ヶ月。 今日から新しい家族が出来ました。 |