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急用で母が家を留守にしたため、一晩リヴァイ先生と過ごすことになってしまったのだが、結局、心配していたような淫らなレッスンは行われなかった。

その代わり、たっぷりしごかれてひいひい言わされた。
まるで容赦がない。
この人の前世は鬼か悪魔に違いない。

ただ、意外だったのは夕食を作ってくれたことだ。
それも凄く美味しいイタリアンを。
俺は料理が出来るアピはされていたが、まさかここまでとは思わなかった。

今は二人でダイニングルームのテーブルにつき、朝食を食べているところだ。
紅茶は先生が淹れてくれた。先生の紅茶は凄く美味しい。

「おい、手を貸せ」

「え?あ、はい」

戸惑いながら手を差し出すと、指先をきゅっと握られる。
いきなりのことに、ちょっとドキッとした。

「冷てぇ。相変わらず末端冷え性だな」

「どうして知ってるんですか?」

「お前のことならなんでも知っている」

先生は感情の読めない表情で言った。
元から何を考えているかわかりにくい人だが、こういう時は本当にどうしていいかわからなくなる。
悲しいような切ないような気持ちになるのは何故だろう。

「お前がよく頑張っていることは俺が一番よく知っている」

「先生…」

「何も心配しなくていい。お前の望みは俺が叶えてやる。全力でな」

「はい…私、頑張ります!」

ナナミは感動していた。
破廉恥な言動は多々あれども、やはり彼は優秀な家庭教師なのだった。
こんな立派な先生を持てて幸せ者だ。

「先生に教えられたことを精一杯活かして、頑張って大学に合格しますね!」

「ああ、そうだな。その時には祝ってやる。いや、前祝いがいいか」

「ありがとうございます!」

「一晩かけてじっくりと俺の子種を仕込んでやるから、安心して俺の子を孕め」

「はい、……はい?」

「言っただろう、お前のことは俺が一番よく知っていると」

「えっ」

「お前の排卵のタイミングも知っている。ちなみに今日穿いているのはピンク地に白い水玉の下着だ」

「!?」

「少々少女趣味でガキくせぇが、まあ嫌いではない。今度俺好みのやつを上下セットで買ってやろう」

「そ、そんなのいらないです!」

「遠慮するな。どうせ俺が脱がせるために買うんだ。何も問題ない」

「お…おかーさーん!!おかーさーん!!」

「無駄だ。昼まで戻って来ねぇよ。それだけあれば充分だろ。なぁ?」

「いやーーーーーっっ!!」

「安心しろ。お前は俺が幸せにしてやる。将来安泰だぞ。良かったな」

「いやーーーーーっっ!!」

「そうか、そうか、そんなに嬉しいか。俺もだ」

「お…おかーさーん!!おかーさーん!!」


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