※家庭教師続き 家庭教師のリヴァイと買い物に出掛けると言っても、母は不審に思う様子すら見せなかった。 それどころか、「先生に迷惑かけないようにするのよ」などと釘を刺される始末だ。 リヴァイのことを有能な家庭教師だと完全に信頼しきっていて、疑いもしていない。 実際彼は有能だった。 ナナミは夏休み前の期末考査でほぼ全ての教科で満点をとった。 もちろん本人の頑張りがあったのは間違いないが、やはりリヴァイの指導が効いたからこその結果である。 そんなわけで母親はすっかりリヴァイに陥落されていた。 娘の貞操の危機だというのに、だ。 本日の買い物の目的は水着。 期末考査で良い結果を出した“ご褒美”としてリヴァイが選んでくれる事になっている。 「これを着てみろ」 水着売場に到着するなりリヴァイはさっと全体に目を通し、水着を二着ほど選んでナナミに手渡した。 「…ちょっと私には大人っぽすぎませんか?」 「いいからさっさと着ろ」 というわけで、今ナナミは試着室で水着を身につけている。 二着の水着の内、片方は今年流行りのタイプのもので、もう片方はオーソドックスな紐ビキニだ。 ナナミはまずは流行のデザインのほうの水着を着てから、ドア越しに声をかけた。 「先生…」 「着たか」 恥じらいながらドアを開けると、リヴァイは腕組みして頭のてっぺんから下まで検分し、「もう一つのを着てみろ」とだけ言った。 ナナミは再度ドアを閉め、仕方なく紐ビキニを手に取った。 「ほぅ……悪くない…」 着替えが終わり、再び開かれたドアの向こうで、リヴァイはそう感想を述べた。 表情こそ変わらないが、どことなく満足そうに見える。 どうやらこちらはお気に召したらしい。 「先生…すごく恥ずかしいです…」 「すぐに慣れる。もうこれじゃないとダメってくらいにな」 「先生…あまり胸ばかりじっと見ないで下さい…」 「そんな水着を着ておいて見るなとはおかしな奴だ」 「誰が着せたんですか!!」 「なんだ、脱がせて欲しいのか。仕方ないな」 「いやーーーーーっっ!!」 「オイ、静かにしろ。店員に気付かれるじゃねぇか。それとも、見られながらのほうが燃えるタイプなのか?まあ、俺はどっちでもいいが」 「お…おかーさーん!!おかーさーん!!」 |