「ルルーシュはどうなるの?」 「彼はまた学園に戻される。監視付きだけど、今度こそ普通の学生として暮らせるはずだ」 「そんなことっ──そんなことでルルーシュが幸せになれるはずないでしょう!」 「殺されるよりましだろう。彼はそれだけの罪を犯してきたんだ、処刑されてもおかしくないほどの罪をね」 なまえの瞳からまた一粒透明な雫が流れ落ちるのを見て、スザクの緑の瞳に初めて僅かな動揺が走った。 が、それも一瞬のことで、冷ややかな表情のままなまえへ手を差し伸べる。 「さあ、なまえ……」 と、その時── 突然なまえの視界が反転した。 何か強い力に引きずられてベッドへと倒れこむ。 「ル、ルルーシュ!?」 意識がないはずのルルーシュの腕がなまえを拘束していた。 ルルーシュ自身の身体でしっかりと抱きこむようにして、なまえを抱き締めている。 「まさか意識が戻ったのか!?」 信じられないといった表情でスザクが駆け寄ってくる。 「ルルーシュ、なまえを離せ。ル──!?」 力づくで引き離そうとしたスザクの手が途中で止まり 愕然としたように緑の瞳が見開かれた。 なまえを抱き締めているルルーシュの瞳は、閉じられたままだったのだ。 意識がないまま、それでもなまえを離すまいとするルルーシュに、スザクは凍りついた。 「ルルーシュ、君は……」 スザクの顔が歪む。 彼はルルーシュの身体を掴んでいた手を離すと、静かにベッドから離れていった。 「……宰相閣下に報告してくる。なまえ、君はここにいて。外には兵士がいるから逃げ出そうとすれば撃たれるよ」 それだけ告げてスザクは部屋を出た。 「…ルルーシュ…」 ──お前だけは絶対に守ってやる ルルーシュの言葉が蘇る。 遠ざかる足音を聞きながら、なまえはルルーシュの身体に腕を回して抱き締め返した。 二度と離れることがないように、しっかりと。 |