「ほら、元気出せって。俺でよければ相談に乗るからさ。何がそんなにショックだったんだ?」 「リヴァル……」 スザクが顔を上げる。 「僕は薄情な人間なのかもしれない」 「は?」 「だって、なまえと再会した時、直ぐに相手がなまえだって気がつかなかったんだ」 「そりゃあ…仕方ないんじゃね? 何年も会って無かったんだろ?」 彼らが幼馴染みである事は聞いていたので、そうフォローしてみる。 相手は成長期の女の子なんだから、何年も会わない間に外見も随分変わっていたはずだ。 子供の頃の姿しか知らなければ、直ぐに誰かわからなくても仕方がないのではないだろうか。 「でも、ルルーシュは一目でなまえだってわかったのに……」 「当然だろ。俺があいつを見間違えるはずがない」 いや、そこはフォローしろよ。 リヴァルは勝ち誇った顔で言うルルーシュのせいで再び俯いてしまったスザクの肩を叩いた。 「気にするなよ、スザク。一目でわかったルルーシュのほうがおかしいんだって」 「俺のどこがおかしいって?」 すかさずルルーシュが睨んでくるが、気にせずリヴァルは続けた。 「いやぁ〜、ほら、それは愛情の差ってやつ?ルルーシュはなまえにベタ惚れだから分かって当然っていうかさ…」 「愛情……そう、そうだね……なまえは僕の初恋の相手だったんだけど、きっと僕の愛情なんてその程度のものだったってことだよね……」 リヴァルは笑顔のまま凍りついた。 ルルーシュがふんと鼻で笑う。 「そういえばそうだったな」 「そうだよ。大体、ルルーシュは最初なまえに冷たくしてたくせに、いつの間にか僕より仲良くなってて……」 「マジでか!俺はてっきりルルーシュとなまえは初めっからあんな感じだとばかり…」 「違うよ全然違うよ。なまえは最初からルルーシュになついてたけど、ルルーシュはなまえには凄く素っ気なかったんだ」 「好きな子苛めってやつかぁ? ルルーシュらしいって言えばルルーシュらしいな。まんまツンデレだよなぁ」 「うるさいぞ、リヴァル」 ルルーシュは雑誌を眺めながら、子供の頃を思い出していた。 忘れるはずがない。 あの時に決めたのだ。 今度は自分がなまえを守るのだと。 |