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「え、な、なに?どうして…」

「寒いんだろう? 一緒に寝て暖めてやろうというんだ。感謝しろ」

「えぇっ!?」

「静かにしろ」と睨まれ反射的に口を閉じたなまえを連れて、リドルはさっさと階段を降り始めた。
一応踏ん張って抵抗をこころみたものの、男女の力の差もあり、階段を転げ落ちるのも嫌なので、結局は後をついていくしかない。

監督生であるリドルは人数の都合もあって特別に一人部屋を与えられている。
その寝室のドアを開くと、リドルは先になまえを中へと放り込んでから、後ろ手にドアの鍵をかけた。
施錠が出来るのも寮ではこの部屋だけだ。

「と………トム…」

「ビクビクするな。何もしない。それとも何か期待しているのか?」

ぶんぶん首を横に振るなまえにベッドに上がるよう目線で促し、リドルは気怠げに黒髪を掻き上げた。

「早く寝ろ。僕もいい加減眠い」

「う、うん…」

なまえがガウンを脱いでもそもそとベッドに乗り上げて横になると、リドルはテーブルに置かれたランタンの灯りを消し、自分もベッドに入った。
まだ警戒しているなまえの首もとまで毛布をかけてやり、その身体にそっと腕を回す。

「寒くないか?」

「大丈夫。あったかい…」

──多少…いや、かなり恥ずかしい方法ではあるが、確かにこうしていると暖かい。
リドルの体温を感じながら、なまえは安心して目を閉じた。

その頃、女子寮の寝室では、昨夜なまえが寒そうにしていた事に気付いた友人が予備の毛布を用意して戻らぬなまえを待ち続けていた。


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