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昴さんが初対面の時に蘭ちゃんに蹴られたと聞いて驚いた。
顎に強烈な一撃を食らったらしい。

「女子高生にしてはいいキックでした」

「大丈夫なんですか?」

「ええ、何ともありません」

昴さんの顎を触ってみるが、当然そこにはもう痣らしきものは見当たらない。
よしよしするように顎下のあたりを撫でていると、その手を掴まれて指先に口付けられた。

「くすぐったいですよ」

「あ、ごめんなさい」

「お返しです」

昴さんは私を膝の上に抱き上げると、顎の下を指先でこちょこちょとくすぐった。

「や…くすぐったいです昴さんっ」

くすくす笑いながら身をよじれば、上から笑い声が降ってくる。

「本当に可愛いですね、君は」

「昴さん…」

大きな手の平に頬を包み込まれて、顔を上げさせられる。
昴さんの顔が近づいてくるのを見た私は目を閉じた。

最初はまぶたの上に。
それから、額、頬、と続いてから、唇にあたたかい感触。

やわやわと食まれてから舌で舐められる。
そうして本格的に深くなる口付け。
まるで食べられているみたいだと思った。

「ん、ん……」

やっと唇が解放されて大きく息をつく私の首筋を濡れた唇が這う。
ちくりとして痕をつけられたのがわかった。
そのまま何度も首筋を吸われてゾクゾクっと背筋が震える。

「昴さん…」

押し退けるべきか引き寄せるべきか迷って昴さんの肩に軽く手を突いた時、スマホの着信音が響いた。
このメロディは…。

「あっ…コナンくん」

「出ていいですよ」

「すみません」

急いでスマホを取り出してタップし、耳に当てる。
昴さんの膝の上に抱かれたまま話すので何だか気恥ずかしい。

「もしもし?どうしたの、コナンくん」

『こんにちは、なまえお姉さん。突然だけど、今度の日曜日空いてる?』

「今度の日曜日?」

言いながら、ドキッとした。
昴さんが私のブラウスのボタンを外し始めたからだ。
左手でボタンを外しながら、開いた場所から右手を潜り込ませてブラ越しに胸を揉まれ、私は慌てた。
コナンくんと電話してるのに!

『なまえお姉さん?』

「あ、ごめんね。今度の日曜日だよね。たぶん空いてると思っ、」

思わずびくんと身体が跳ねた。
いつの間にかブラウスの前は全開になっており、ブラジャーから引き出された胸に昴さんが吸い付いてきたからだ。

『なまえお姉さん、大丈夫?』

「う、うん、ごめんね。日曜日、どうしたの?」

『みんなで水族館に行くことになったんだけど、あいつらがなまえお姉さんも誘えってうるさくて』

「ありがとう。私も、みんなと…一緒に行きたい、なっ!」

慌てて手で口を塞ぐ。
昴さんの手がスカートをたくしあげて、脚の間の秘めた場所を指でなぞってきたのだ。

──昴さん!

涙目で睨むが、昴さんは涼しい顔で笑っている。
そして、またちゅううっと音を立てて胸を吸い上げた。
舌先で乳首を転がされ、軽く甘噛みされる。

「ぁ……んっ」

手で塞いだ口から甘い声が盛れ出た。

『なまえお姉さん?』

「あ、うん、一緒に行く。待ち合わせはどうする?」

濡れてつやつやと光る乳首を指でこねまわしながら、昴さんが耳たぶを食む。
反対側の耳に当てたスマホからは、コナンくんの声が待ち合わせ場所と時間について話していた。

『じゃあ日曜日にね』

「う、ん…」

『それから…昴さんによろしく。邪魔してごめんなさいって伝えておいて』

「えっ」

まさか、と思った時には既に通話は切れていた。
呆然としながらスマホを下ろす。
昴さんの手がそれを私から取り上げてテーブルの上に置いた。

「話は無事終わったようですね」

昴さんは愉しそうに笑っている。
この人、絶対コナンくんが知ってるってわかっててやってた!
なんて人だ。
コナンくんも昴さんも怖い。

「さて、なまえさん」

昴さんが私の髪を優しく撫でる。

「このまま続きをしましょうか。それともベッドに?」

私が出した答えは推理するまでもないだろう。


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