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──あー、安室さん!またなまえさんの写真見てる!
新婚で奥さんが可愛いのはわかりますけど、オーダーたまってるんですから……仕事して下さいよー……

──はい!


「というやり取りがあってね」

梓さんに怒られたよ、と笑う零さんは腰にタオルを巻いただけの全裸だ。
私がお風呂に入っていたら、突然乱入してきたのである。

「ちょちょ、ちょっと、零さん!」

「少し詰めて。うん、ありがとう」

トプ……と静かにエレガントに入水した零さんは、当たり前だが、もうタオルを巻いていない。
生まれたままの姿だ。

「俺から逃げないで」

慌てる私を抱き寄せて、零さんは私の身体を後ろからがっちり抱え込んだ。
鍛え抜かれて引き締まった零さんの肉体美を直に感じて頭に血がのぼりそうだった。

「恥ずかしいのかい?もう何度も見てるのに?」

「そ、それとこれとは別なんですっ」

零さんにもう何度抱かれたかわからない。
けれども、その時は大抵無我夢中で、素面の時とは事情が違うのだ。

「可愛い」

零さんに頬擦りされる。
この人とこういう関係になりたいと願う女性がどれほどいることか。
でも、実際になってみると、喜びよりも羞恥が勝ってしまう。

「早く俺に慣れてくれ。でないと、可愛すぎて食べてしまいたくなる」

「こ、困ります!」

「まあ、そう言わずに」

零さんに首筋を甘噛みされて頭が真っ白になった。
零さんの悪戯な手が、胸や脇腹をさわさわと撫で回している。

「あ、あ、だめ……っ」

「ダメじゃない」

「だめ、です……!」

「イイの間違いだろう?」

こういう時の零さんは意地悪だ。
とっくに反応を始めている私の身体を弄びながら、意地悪だけれど思わず見惚れてしまうような魅力的な笑みを浮かべている。

「いいかい?」

こうして、答えに困ることを聞いてくるところも意地悪だと思う。

そして、今夜も私は眉目秀麗な旦那様が満足するまで食べ尽くされてしまうのだ。


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