答えた瞬間、私は降谷さんに抱き締められていた。 密着した降谷さんの身体からぬくもりが伝わって来る。 「すまない……一瞬でも君を疑った僕を許してくれ」 「そんな、謝らないで下さい。でも、良かった。誤解が解けて」 「キスをしてもいいかい?」 「もちろんです」 答えるや否や唇を奪われた。 いつもの優しいキスとは違って、秘めていた熱情をぶつけるような情熱的な口付けに、頭がくらくらする。 私は降谷さんの背中に腕を回して、その熱いキスに溺れた。 この冷静沈着な人の心を乱してしまったことに、罪悪感と優越感を感じながら。 ちゅ、と音を立てて唇が離れる。 物足りないと思ってしまったが、降谷さんの表情にも同じ気持ちが表れていたので安心した。 端正な顔立ちに艶めいた微笑が浮かんでいる。 「今日は謝ってばかりだな。すまない。朝まで離してあげられそうにない」 |