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自分のものよりも高い体温。
彼の身体に染み付いた煙草の香りと、彼自身の男っぽい匂い。
大好きなそれらに包み込まれて、眠りと浅い覚醒の間を漂っていると、低い美声がごく近くから聞こえてきた。
どうやらスマホで誰かと電話しているらしいその会話は英語だった。

──英語?

ぱち、と目を開く。
視界に飛び込んできたのは黒い服を着た逞しい上半身と、くっきりと浮き出た喉仏と太い首。

「すまない。起こしてしまったか」

見上げれば、少し会わない間に精悍さを増した気がする男らしい顔立ちの中から、印象的なグリーンアイが私を見て優しく細められたところだった。

「赤井さん?ど、どうして」

「合鍵を使って入った。君は良く眠っていたのでな」

ちゅ、とキスをされる。

「やはり、メールでは我慢出来なかった。君に逢いたくて、飛んで来てしまったよ」

「赤井さんっ!」

私は堪らず目の前の逞しい身体に抱きついた。

「嬉しい!嬉しいっ!本当に逢いに来てくれるなんて」

「俺も君と同じ想いだ」

フ……と笑った赤井さんが堪らなくカッコいい。
逢えなかった間にまた男ぶりが上がったんじゃないですか、赤井さん。
赤井さんの放つ大人の男の色香にあてられて頭がくらくらする。

「愛している、なまえ」

「私も…………ん、」

久しぶりに味わう情熱的な口付けは懐かしい煙草の味がした。


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