テツヤくんと結婚して三ヶ月。 新しい生活をはじめるにあたり、結婚式から暫くはバタバタしていたし、色々大変なこともあったけど、いまとても幸せだ。 新居での二人の生活にも慣れてきた。 テツヤくんはとても優しくて頼りになる旦那様だ。 「ただいま帰りました」 「お帰りなさい」 今日も玄関先で旦那様をお出迎え。 こうして毎日同じ家に帰って来てくれるということが嬉しい。 「お腹空いたでしょう。ご飯出来てるよ。それともお風呂先にする?」 「七海さんにします」 「だ、第三の選択肢を作らない!」 「七海さんにします」 「大事な事だから二回言ったの!?ダメだからね!」 鞄を受け取った私に、テツヤくんは「仕方ないので楽しみは後にとっておきます」と言ってキスをした。 ちょっと拗ねた風なのが可愛い。 まずはお風呂に入ることにしたらしいテツヤくんに着替えを渡し、彼が出て来る前にご飯の支度を済ませておく。 余談だが、休日には一緒にお風呂に入ることにしている。 今日は仕事帰りで疲れているはずだからお一人様だ。 ちょっと時間が出来たのでテレビをつけると、ちょうど芸能人の妊活のニュースをやっていた。 妊活とは最近話題になっている妊娠するための活動のことで、ざっくり言えば子作りに集中するということだ。 「僕達も子作りしましょう」 お風呂から上がってきたテツヤくんがテレビを見て言った。 「テ、テツヤくん…?」 ずいっと来たテツヤくんに圧されてソファに座ると、更にずずいっと来た。 ソファの上に押し倒された形だ。 「実はずっと考えていました。子供を作るなら早いほうがいいと」 「うん…まあ、年齢的にもそうかもね」 お互いに若くて健康な内に作ったほうがいいという理屈はわかる。 「可愛いですよ、子供は。僕は子育てに関しては自信があります」 「わ、私はもうちょっと二人でいてもいいかなぁ、なんて…」 「僕は七海さんの子供が欲しいです」 グイグイ来るね! テツヤくんは普段穏やかで淡白なのに、スイッチが入ると途端に頑固で強硬姿勢でグイグイ来る。 「七海さんは僕の子供が欲しくないですか?」 「それは…まあ…好きな人との子供が出来たら嬉しいだろうなとは思うけど…」 「じゃあ、決まりですね」 「ひゃあっ!?」 思わずヘンな声が出てしまった。 テツヤくんがいきなり私を抱き上げたからだ。 「あ、ソファの上が良かったですか?」 「!ううん!」 「僕、明日はお休みですし、頑張ります」 そのままお姫様抱っこで寝室に運び込まれる。 その夜のテツヤくんはそれはもう激しかった……です。 |