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家事は意外と運動量がある。特に掃除。
ワンルームの独り暮らしの時と違って部屋数があるから時間も手間もかかって大変だ。
それでも苦にならないのは、やはり新婚パワーのお陰だろう。
好きな人のためなら頑張れるというやつだ。

なまえと光秀はお見合い結婚だったが、今のところとても上手くやれていると思う。

何しろ出会いが最悪だったので、最初の頃こそびくびくしていたなまえだったが、いざ結婚してみれば光秀は優しく穏やかな良い夫だった。
少なくとも、まだ変態的な行為はされていない。
こう言っては何だが、特に身体の相性は抜群だった。

休みの日や手が空いている時は家事も手伝ってくれるし、この様子だと子供が生まれても問題はなさそうだ。

ちょっと風変わりなところがあるのも個性と思えば気にならない。

家事を終えて一息ついていると、玄関の鍵を開ける音が聞こえてきた。
急いで玄関に向かう。

「お帰りなさい!」

「ただいま戻りました」

飛び付いたりはしないけど、普通の奥さんがするように旦那様である光秀を出迎える。

「ご飯にしますか?それともお風呂?」

鞄を受け取ると、靴を脱いで上がってきた光秀に抱き上げられた。
外の匂いと、彼の匂いが鼻孔を満たす。

「なまえさんにします」

「そんな選択肢言ってないですよ!」

「どうせ一択なので捏造しました」

光秀は細いようでいて意外と腕力がある。
戦国の世なら、両手に大きな鎌を持って戦えそうなくらいに。

「それより、ただいまのキスがまだですよ」

「おや、これは失礼」

なまえを抱き上げたまま光秀はキスをした。
ただいまのキスにしてはいささか情熱的すぎるそれに、あっという間になまえの息が上がる。

「み…光秀さん…」

「では、早速、お風呂でなまえさんという名の食事を頂きますね」

「お風呂でしたら赤ちゃん出来ちゃう…」

「子作りをするんですよ、もちろん」

光秀に抱えられて運ばれながら、なまえは1ラウンドで終わるだろうかと、キッチンで待っている夕食の心配をしていた。


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