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「つーかよォ、ホワイトデーのために野郎だけで集まって策を練るってのは分かったけどよ、具体的にはどうすりゃいいんだ?」

カーテンが引かれた窓際のテーブルに座っていた元親が言った。

「情報を集めるのは基本中の基本。その中から己に有利となる情報を得て、どう動くのが得策かを考える──そうだな、竹中」

「ああ」

問いかけというよりも確認の意味が強い元就の問いに、半兵衛が微笑を返す。

「ホワイトデーのお返しに何を贈ればいいか、どう対応するのがベストか、それを考えようと言っているんだよ。悪い話じゃないだろう?」

「なるほどな」

元親は納得した様子で頷いた。

「まあ、僕は君達とは違って天音とは相思相愛だから何も問題はないんだけどね」

「Ha! 相変わらず嫌味な野郎だぜ」

黒板側に後ろ向きに置かれた椅子に座っていた政宗が、椅子の背に組んだ腕を乗せながら不敵に笑った。

「そこまで自信満々なら、当然もうヤることはヤってんだろうな?」

「やれやれ…随分と下世話な事を聞くものだね。答える義理はない──と言いたいところだけど、特別に教えてあげよう。一言で言うなら 最 高 だよ」
「くっ…! あのモチモチしてて柔らかそうな胸に顔を埋めやがったのか…!」

「埋めただけだと思うかい?」

「ああ"あ"ァァ竹中アアアアアAAAーー!」

「君は実に愚かだ」

半兵衛は憐憫の眼差しを政宗に向け、わざとらしく溜め息をついてみせた。

「竹中の旦那はドSだけど、独眼竜の旦那には特に酷いよね。もう何かの仇レベルで」

「彼を見ていると、どういうわけか苛々するんだ。きっと彼には前世で秀吉の事で煽られて不愉快な思いをさせられたんだろう。その仕返しだよ」

「ひでぇな、おい」

「そ、某はッ……!」

今まで黙りこくっていた幸村が唐突に口を開いた。
顔が真っ赤だ。

「某は、そのっ、デザートビュッフェに誘ってみようと思っているのだが……ど、どうだろうか…?」

「いいんじゃないかな。きっと喜ぶよ」

「うんうん、女の子は甘い物好きな子多いからね〜。俺様も賛成」

「真田、そのデザートビュッフェは何処でやっているものだ?」

元就が聞いた。

「駅前に新しくオープンしたホテルのレストランでござる」

「ああ、あの外資系の……そういやテレビでやってたよなぁ」

「あそこは平日も混雑している。当然待たされるだろう。好いた女子といきなり二人きりで赴く場所としては適しているとは言えぬ」

「む……確かに」

「一つ先の駅になるが、デザートビュッフェならば帝王ホテルの三階に行くのが良かろう。あそこはあまり混まぬ上にデザートの種類も豊富で時間制限もない穴場ぞ」

「おおおっ! 毛利殿、ご助言感謝いたすッッ!!」

「詳しいな、毛利」

「こ、この程度の情報、誰でも知っているだろう」

「いや、僕は知らなかったよ」

「俺様も」

「俺もだ」

「俺も知らなかったぜ」
「つ、次は誰だ! 早う話せ! 我には無駄な時間などないのだ!」

「僕の台詞を取らないでくれないか、元就君」



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