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机の上を片付けながら天音は慶次に笑いかけた。

「元親とか政宗は? そういうイベント好きそうだけど」

「おっ、そうだな! 誘ってみるよ! じゃあな二人とも!!」

そうと決まれば善は急げとばかりに、慶次は生徒会室を飛び出して行った。

「やれやれ…慶次君にも困ったものだね」

作業を終え、ノートパソコンを閉じて半兵衛が苦笑する。

「さて。元親君達に袖にされた慶次君が舞い戻って来ないうちに帰ろうか」

「うん」

生徒会室のドアを施錠してから二人は学校を出た。
雪こそまだ降っていないものの、さすがにクリスマスが近いだけあって外はかなり冷え込んでいる。

どちらともなく繋がれた手から、お互いの体温が感じられた。
半兵衛の手は指先までひんやりしている。

「手、冷たくなってる」

「君の手は温かいね」

「手袋しないの?」

「そうだね、そろそろ必要かな」

「イヤーマフラーは?」

「君が僕があげたのをつけてくれたらね」

「うさ耳のあれ? 無理だよ!」

「どうして?可愛いのに」

「あれが許されるのは小学生の女の子までだよ。絶対笑われるって」

「僕は気にしないけど」「気にしようよ!」

「ふふ…今年のクリスマスプレゼントは、あのうさ耳のイヤーマフラーに合わせた白ウサギみたいなドレスワンピースにしようか」

半兵衛こそ白ウサギみたいなのに、と天音は頬を赤くした。
繋いだままの半兵衛の手は、少し温まってきたようで、天音の手と同じくらいの体温になってきている。

同じ頃、無人の生徒会室の前で慶次がしょんぼり肩を落として立ち尽くしていた。



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