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後ろ手でブラのホックを留め、スカートを手に取りながら、天音はふと横を見た。

腰から下にシーツを纏わせ、それより上は美しい裸身を惜しげもなく晒してベッドに寝そべっている男が、枕の上に優雅に頬杖をつき、薄笑いを浮かべながらこちらをじっと見つめている。

天音は慌てて持っていた服をかき抱いて胸を隠した。

「み、見ちゃダメ!」

「僕のことは気にせずゆっくり着るといい」

「だからダメですってば!」

「ふふ…中途半端に衣服を纏った状態というのも、なかなかグッとくるものがあるね」

「もうっ、半兵衛さん!!」

胸に服を抱きしめて怒ってみるが、向こうはまったく堪えた様子がない。

「おいで」

微笑を浮かべた半兵衛に優しい声で呼ばれた。
怒っていたはずなのに、ホイホイ引き寄せられてしまう自分もどうかと思うが、逆らうことは出来なかった。

腕をとられ、あっという間にベッドの中に引きずりこまれる。

「やっぱり食事は後でいいよ」

怜悧な美貌が目の前に迫ってきたかと思うと、次の瞬間にはもう唇を奪われていた。

最初は優しく。
徐々に、深く、熱く。

ようやく火照りが収まってきていたはずの身体に丁寧に火をつけ直していくような口付けだった。

「…ん、ぅ……」

自らの肌に重なるなめらかな肌の感触を感じながら、天音は爪先でシーツを掻いた。
いつもは体温が低いはずの半兵衛の身体が熱く感じる。

白いシーツの波間から出た男の腕が、再び剥ぎ取った下着をそっとベッドの下に落とした。



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