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跡部くんが気に入っている女の子がいるらしい。
これはマネージャーとしては把握しておかないわけにはいかないぜ!
ということで、実際に跡部くんがその女の子に絡んでいた所を目撃したという忍足くん、向日くん、滝くん、鳳くん、樺地くんを掴まえて早速その子について聞いてみた。
跡部くんは榊先生と理事長と話があるとかで暫く戻って来ない事が分かっているので、今がチャンスだ。

しかし、よくよく皆の話を聞いてみれば、ナンパというよりも一緒にいた青学の桃城くんをおちょくるのが目的だったような気がしないでもない内容だった。
でも、跡部くんはその女の子の事を名前で呼んでいたというから、その場のやり取りは別としても、彼女に多少なりとも興味を持っていることは間違いないだろう。
その女の子は不動峰の橘くんの一つ下の妹さんで、名前は橘杏ちゃんというらしい。

「あああ!見てみたい!ちょっと今から不動峰に見に行って来ようかな」

「そんなにかよ」

「だって、『俺様に群がる女どもは皆メス猫』の跡部くんが杏ちゃん呼びなんだよ!ねえねえ、どんな子だった?」

「どんなって…まあ、顔はカワイイほうだと思うぜ。兄貴にあんま似てねーよな」

「そうですか?俺は結構似てると思いました。あと、女子にしては結構強い球を打ってましたね」

「ウス」

「へえ〜やっぱテニスもうまいんだね!」

「なまえ先輩のほうが可愛いですよ」

「ありがとう、若くん」

「日吉さりげなくアピールすんな」

「性格もしっかりしてそうだったよ。勝気な感じで」

「なまえ先輩のほうが」

「日吉もう無理すんなお前」

「ああ、あの子はええ奥さんになりそうやな」

「そーかぁ?あんだけ気が強いと尻に敷かれそうじゃね?」

「わかっとらんなぁ、岳人は。ああいう普段は気ぃ強いタイプの子のほうが、実はMっ気があって従順な尽くし系だったりするんやで」

「…忍足くん…なんかオッサンくさ、ううん何でもない」

「ちょ、そこまで言ったなら最後まで言い切ってや。途中でやめられたほうが傷つくで」

「なんかごめんね、逆に」



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